sanuki story project

174島宇宙 香川県  poopieさん
不思議な話
カオル(40代)は転勤族の妻。ある日夫の島次郎と島旅に出かけようと港にやってくるが、いざ乗船というところで、島次郎に仕事の電話が入りドタキャンに。ここのところ仕事ばかりの夫に頭にきて、カオルは一人でフェリーに乗り込む。
フェリーの甲板でぼんやり海を眺めていると、聞き覚えのある声。振り向くと、それはなんと、もう一人のカオルと島次郎だった。
驚くカオル。しかしもう一人のカオルと島次郎は動じることもなくカオルを島へと案内する。2人は瀬戸内海に浮かぶ小さな島の古民家で家庭菜園をし、魚を釣ったり、ヨガをしたりして、仲間たちとのんびりした生活を送っている。
東京出身で都会生活に慣れ親しんでいたカオルは、小さな地方都市、香川に転勤してきてからフラストレーションを抱えてきたが、もう一人の自分の選択に驚き、刺激を受け、癒される・・・
・・・ふと気づくと、島次郎がカオルの名を呼んでいる。カオルはもとの港にいて、島次郎がカオルをのぞきこんでいる。島次郎はほんの数分仕事の電話をしていて、休日だからと仕事を断ったという。
カオルは、奇妙だけれど、楽しくステキな夢をみていたのだった。
すっかり癒されたカオルは笑顔になって、島次郎と一緒にフェリーに乗り込む・・・