sanuki story project

245早朝3択 香川県  きちゃのまるさん
笑える話
僕の仕事はテレビ番組の制作。

今日も朝早くからの生放送番組のため、朝5時に放送局に出社。

続々とスタッフも集まってきて、まもなくリハーサルの時間。

みんな持ち場について、いざリハーサル。

…ん??何か変だぞ

…1人足りない!先輩がいない!

どうやら昨日遅くまで飲んでいたようなので、きっとまだ家で寝ているのだろう。

電話をかけるが、全くでない。
時間がないので1番下っ端の僕が起こしに行くことに。

以前送って帰ったことがあるのでマンションは知っている。
急いで車を走らせ先輩の住むマンションへ。

マンションの下に着いたとき、あることに気づいた。

部屋番号が分からない!

会社の人に電話で聞いてみるが、2階ということしか分からない。

2階へ上がってみると、そこには扉が3つ。
表札は…ない。

どれだ? 正解は3つの内の1つ。

時間はまだ早朝だ。
間違ったインターホンを鳴らしてしまうと、ご近所迷惑になってしまう。
怖いひとが出てきて怒鳴られるかもしれない。ぶっ飛ばされるかもしれない。

さぁ、どれだ。
リハーサルまで時間がない。

先輩の性格ならどの部屋なのか…左か…真ん中か…右か…

迷った末に、僕は1番左の部屋のインターホンを鳴らした。
ピンポーン

少し間を置いて声が聞こえた。
「は〜い」

…その声は…聞き慣れた先輩のものだった。

なんとか強制早朝3択に打ち勝った。

あぁ、今日の生放送もきっとうまくいくだろう。