sanuki story project

218社畜の目は死んでいる 香川県  うどんみかんさん
悲しい話
貧乏暇なしの零細企業の社員である。
「死んだ魚の目をしているね」とよく言われる。
香川県の魚といえば鰤である。

ある日、商店街で鰤のイベントがあった。
本物の鰤が飾られていた。
死んだ鰤なのに、前日深夜0時まで仕事をしていた私よりも鰤の目は生き生きしていた。
「ご試食していきませんか」
とすすめられたが、その時、胃炎であった。
胃炎なんて言えんと心の中で思った。
そんな昼休みを終え、また仕事。

職場で婚活中の美人の先輩や病気になった先輩を見ると仕事が原因だろうなと不安しかない現状である。
出世魚の鰤みたいに、いつかくるかもしれない幸せを願いつつ、今日も社畜をやっている。